磯の口開け ヒジキ



春の訪れと共に始まるのがヒジキ漁ですが、アワビや他の海藻のように採るだけでは終わらず、その後に煮たり干したりの大変な作業が続きます。細くて柔らかい風味豊かな網地島の美味いヒジキは根強い人気があり、収入源と共に待ち焦がれる人へのおみやげ用などに無理をしてでも採る人も多いようです。
生のヒジキ
l←       20〜30cm        →l
生のヒジキは茶色の色をしており、形は左側の画像のような形で、お湯に入れると黄緑色に変わり、煮ると茶色から黒色になります。採れる時期は新芽が育つ春先の時期のみで、潮位や天候などを考慮して解禁されますから採れる量は限られてしまいます。
ヒジキの磯取り
磯取り
ヒジキの舟取り
舟取り
<採る作業>
他の海藻を採る方法は陸から浜に行き、採った物も陸を運ぶ方法でしか出来ないのですが、ヒジキの場合のみは重量が重いのと、沖合いの根(岩場)に良質のヒジキが生えている事もあり、舟を使う方法も許させています。殆どの人は磯取りをする場合が多いのですが、中には浜から沖合いの根に泳いで渡り、刈ったのを入れた袋を又泳いで運ぶ人もいます。

陸での運搬手段は車を使用する人や、動力付きの運搬車、ネコ車(1輪車)を使用したり、背負って運ぶ人など様々ですが、生のヒジキはかなりの重量がありますから、たとえ車で運ぶにしても浜から上げてそこまで背負うのは結構大変な作業です。
<煮る前の準備>
@煮る釜:煮るには鉄製の大釜を使わなければならないのですが(煮上がりの色を良くする為)それほどの大きな釜も入手困難な為、殆どの家ではドラム缶を使用しています。ただし、ドラム缶を初めて使う時は前もって洗浄してから、ワラなどを中で燃やし空焼きし更に洗い流す下準備が必要になります。
A燃料:完全に煮上がるまでに2〜3時間かかるため、何回も煮る事を考えると相当の薪を準備しておかなくてはなりません。
B天日乾燥:広い場所と敷くものの確保。最適な場所は作業を同時進行させる為、煮る作業をしているところに近いところ、コンクリートの地面、日陰にならないところ等を選びます。
<採った後の作業>
@ヒジキに着いた海苔を選り分ける
A柔らかくなるまで煮る(沸騰してから約2〜3時間位)
B流水で揉み洗いする
C水をきってから天日で干す
D干しているのを時々反す

天気が良く陽射しが強ければ1日で乾燥しますが、そうでない場合は干していたのを一旦取り込んで後日続けて干す事になります。

<と言う訳で>
まあ結構沢山な位大変なんです。

<完成品>
加工されたヒジキが網地島産の名で一般市場に出まわる事はなく、殆どのヒジキは漁協を通じて業者に卸され、販売されているので、一般の方が手に入れて賞味するのは難しくなっています。民宿の定番メニューには入っているようですが、初めて島のヒジキを食べた人の感想は『今までヒジキは何だったの?』って驚く人が多いようです。