鮑 漁



 鮑がキロ単価1万以上した頃は年数回の鮑漁だけで生活していた人も有ったそうですが、最近では入札価格の低迷に加え磯焼け、密漁等による資源の減少で採れる量も少なくなり、それだけで生活して行くのは難しく成って来ています。それでも”海のダイヤ”と呼ばれたようにまだまだ高価な海産物なので水揚げ量によっては貴重な収入源になっています。

かなり前の時代の事ですが、昔は全くの巣潜りで行っていたので冷たい海に長時間潜っているのは大変で、時々海から上がり焚火に当って暖を取りながら漁をしていたとの事。この様に長時間海に入っていられないので、漁は夜明けから始まり暗くなるまで開いていたそうですが、今はウエットスーツを着て潜るようになったので1日あたりの操業時間は3時間と短縮されました。

 現在の網地島では長渡側は潜って採る漁法ですが、網地地区は船から箱メガネを使ってアワビを探し、長い竿の先に付いたカギを使って引っ掛けて採る漁法で行なわれています。

 長渡側の解禁は6月〜8月と11月〜12月の5ヶ月間で計6回。網地側は11月〜2月までの4ヶ月間で約10回ほど。時間にすると長渡側では18時間で網地側では40時間くらいですから比較すると大分差が有るように見えますが、1回あたりの水揚げ量や単価の違いで結局は同じくらいの収入になります。

ともあれ解禁になっても採っていられる時間が少ないので特に長渡側では漁場に向かう船のスピードも自ずと速くなってしまいます。下のスライドは長渡前の浜でのアワビ解禁の瞬間ですが、漁開始の放送が始まるや否や目的の場所を目指し全船アクセル全開でスタートし、時として怪我人が出る位の緊迫した様子は、始めてみた人が一様に『凄い!!』と言わしめる程尋常じゃない雰囲気で、海藻などの他の口開けでは見られない様子です。
規定等:解禁の日と操業時間は厳守・採取は漁協権の有る組合員のみ・規定サイズ以下を採取しないこと・必ず船で出発し船に乗って帰る事(磯で獲る事は禁止)・採取した物は全数漁協に出すこと(自家消費は原則的に禁止)


 2000年6月3日
解禁の合図と同時に一斉にスタートした船の様子他